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シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第4回 「蜘蛛女のキス」②

 

アルゼンチンとは、どのような国なのでしょう‥‥すべてをお話しする事は出来ないですが、二つの歴史について簡単に話したいと思います。

 

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まず一つ目は、1976年ごろから1983年にかけて《汚い戦争》という悲惨な内戦がありました。アルゼンチンを統治した軍事政権によって行われた国家テロで、左派ゲリラの取締を名目として、労働組合員、政治活動家、学生、ジャーナリストなどが逮捕、監禁、拷問の対象となり、生まれたばかりの赤ん坊を取り上げ金で他国の金持ちに売りさばいたり、抵抗するものは左翼の協力者として拷問し、やがては大量の市民を飛行機に乗せ眠らせた後、海上で投げ捨て、そうやって3万人以上の人間が犠牲になりました。

 

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これに絡んでアルゼンチン政府は《フォークランド問題》を持ち出します。

二つ目、《フォークランド紛争》です。

もともとフォークランド諸島はイギリス、フランスの間で領有を争っていてフランスがスペインに売却、さらにスペインからアルゼンチンが独立の際に継承したとして領土争いがありましたが、1833年以降はイギリスの実効支配が続いていました。

そこに軍事クーデター後、経済難に陥り反政府運動が激化したアルゼンチン政府が国民の不満をそらすため領有権を持ちだしたのです。

結果として、1982年のフォークランド紛争(アルゼンチン側からはマルビナス戦争)により、イギリスが勝利してフォークランド諸島を奪還し、敗戦により面目を失ったアルゼンチンの軍事政権は崩壊しました。

 

ちなみにその後、両国は1990年に国交を回復させたものの、フォークランド諸島に関してはいまだに互いに自国領有の主張を続けており、完全には改善していません。フォークランド紛争の後に軍政から民政に移管したアルゼンチンでしたが、イギリスに対する反感は消えておらず、現在でも自国に領有権があるとして主張を続けています。

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領土の問題は他国のことだけでなく、島国の日本でも大きな問題です。北方領土はロシア、竹島は韓国に実効支配されたままになっています。この問題で命を奪われ犠牲になられた日本人もいらっしゃいます。そして尖閣諸島周辺には毎日のように中国がやってきて奪い取ろうとしています。

マスコミも報道しないですし、なかなか目に見える形で伝わってこないですが、日本の領土をしっかり守る事が国民の安全を守る事になります。

 

みなさんにも少しでも意識して目を向けて頂けたらと思います。