シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第8回 「ビッグ」③
なんと言ってもこの映画は、主演のトム・ハンクスあっての作品です。派手なCGなどを使ってるわけでもなく、真実味を持たせてグイグイと物語を引っ張っているのは、トム・ハンクスの演技の力が大きいです。彼の演技はまさしく12歳の少年そのものです。親友のビリーとの会話も全く違和感がありません。日本の俳優さんの中で、このような演技の出来る役者さんがいるでしょうか⁈
また監督のペニー・マーシャルが、女性監督ならではの繊細さで描いていて素晴らしいです。
トム・ハンクス演じるジョシュが単なる見た目が大人の子供ではなく、幼心に誰もが感じた恐怖心や好奇心、心の弱さ、発想の豊かさ、大人社会の中でいろんな事を経験して失われていく子供心‥そういう細やかな部分を描き出しています。
このような繊細さは、この後の作品「レナードの朝」にも生かされています。
また脇役のロバート・ロッジアも味のある演技をしています。こういった渋い脇役を演じられる役者さんも、日本にはいなくなってしまったと感じます。
心温まる優しい作品なので、是非ご覧になって頂きたい作品です。