シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第21回 「レッド・オクトーバーを追え!」②
潜水艦の歴史について、お伝えしたいと思います。
●1614年(慶長19年)
大坂冬の陣において、徳川方の九鬼氏が率いた水軍が盲船とよばれる船を使用したという記述があって、ほかの文献がこの船を潜水艦である事を示しているらしいのです。
大坂城の堀を水に潜ったまま移動し、城の建築物に対して、浮上して砲撃を行ったそうです。
●1776年
アメリカの発明家デヴィッド・ブッシュネルが開発したタートル潜水艇が登場。実戦投入された最初の潜水艇です。卵形の船体で乗員数は一人で、人力駆動の螺旋型推進装置を装備。
独立戦争の時にアメリカが使用しましたが、敵艦艇を撃沈する事は出来ませんでした。
●1864年
アメリカ南北戦争で、南軍がH・L・ハンリーが開発した人力推進型のハンリー潜水艇を投入する。1864年にサウスカロライナ州のチャールストン港を封鎖中の北軍木造蒸気帆船「フーサトニック」を外装水雷により撃沈します。これが史上初となる潜水艇による敵艦撃沈となります。
しかし攻撃を成功させた後にハンリー潜水艇自体も沈んだ。その短い就役期間の間に3度沈没し21人の乗組員が失われました。
●1864年
人力ではない動力の潜水艦、フランス海軍の「プロンジュール」が潜水試験に成功。
●1888年
電気モーターで推進する潜水艦、フランス海軍の「ジムノート」が完成。
●1888年
オスマン帝国海軍の「アブデュルハミト」が、水中からの魚雷発射により停泊中の艦艇の攻撃に成功します。
●1898年
フランス海軍の「ギュスターヴ・ゼデ」が、航行中の水上艦艇に対する魚雷攻撃演習に成功する。
1900年になって、造船技師で〝近代潜水艦の父″と呼ばれたジョン・フィリップ・ホランドによって設計された潜水艦ホーランド号がアメリカ海軍に就役しました。
ホーランド号は主機のガソリンエンジンと電動機の直結方式であり、内燃機関によって推進する近代潜水艦の元祖です。
潜水艦の本格的な活躍は、第一次世界大戦からです。いち早く潜水艦を利用したのはドイツ帝国であった。
Uボートと呼ばれたドイツ潜水艦は、開戦直後の1914年9月、英巡洋艦4隻を撃沈したのを始め、次々と英国軍艦・貨客船を撃沈しました。
第一次世界大戦では、ドイツ帝国海軍は381隻の潜水艦を就役させて、その内178隻を失いましたが、終戦までに約5,300隻に及ぶ艦船を撃沈する戦果を上げました。Uボートは世界にその名を轟かせました。
●Uボートの活躍によって潜水艦の有効性が証明され、各国は本格的な潜水艦運用に乗り出しました。
第二次世界大戦では、各国の潜水艦が戦艦や空母を含む戦闘艦の撃沈に成果を上げて威力を発揮しました。
大日本帝国は、伊四百型潜水艦を就役し第二次世界大戦での潜水艦で最大でした。
理論的には、地球を1周半航行可能という長大な航続距離を誇り、日本の内地から地球上のどこへでも攻撃を行って、そのまま日本へ帰投可能で驚くべき能力でした。急速潜航に要する時間は1分だったそうです。
同型艦3隻が就航しましたが、いずれも大きな戦果をあげる事なく終戦を迎え、連合国は日本の降伏までその存在を知らなかったのです。
終戦直後にアメリカ軍が接収する際、その大きさにアメリカ軍士官が驚愕したという逸話が残っています。