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シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第25回 「ポセイドン・アドベンチャー」③

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この作品が単なるパニック映画でないのは、神の存在を問うているからではないでしょうか。

 

主人公のスコット牧師が登場すると共に疑問を投げかけます‥

「ひざまずいて神に祈ればすべてうまくいく?」

スコット牧師は話し続けます‥

「バカらしい。私の国では、祈っても真冬のボロ家が暖かくならん。祈る手にツララだ!寒い時は家具でも家でも燃やせ!」

そんなスコット牧師の話しに先輩の牧師であるジョンは言います‥

「型破りだね、スコット牧師。」

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スコット牧師‥

「現実的です。教会も祈りだけの場所ではない」

ジョン牧師は反対意見です。

「そんな説教をして牧師だとはね」

 

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そしてスコット牧師は、みんなを集めて説教をします。

「苦しい時に神に祈らないこと。内なる神に祈れ。勇気を持って戦え!神が求めるのは、勇者だ!臆病者ではない!勝つ努力をせよ!神は努力する者を愛するだろう。」

 

スコット牧師は力強く訴えます。

「戦うのだ!人のため、愛する者のために」

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この二人の牧師の神に対する考え方の違いが、生死を分けることになります。

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これは遠藤周作さんの「沈黙」などに通じるようなテーマです。

『神はなぜ沈黙しているのか‥』

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今作のスコット牧師も神に怒りをぶつけます‥

 

「私たちは神に頼らず自力でここまで来た!助けは請わない!だから邪魔するな!やめてくれ!何人いけにえが欲しいんだ!何人の命を!ベルを奪い‥エイカーズも‥リンダまで‥まだ不足か!なら私をやれ!」

 

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宗教の捉え方や考え方の違いで生きるか死ぬか決まってしまう‥神とは何なのでしょうか?

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日本人は『八百万の神』の国なので、神様に頼りきる事もありませんし、神道は宗教ともまた違うので、キリスト教の考え方や生き方はなかなか理解し難いものがあります。

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宗教とは違いますが、日本でも憲法9条信者がいますよね。9条があれば平和は保たれる‥そう考えるドリーマーが。それによって議論でさえさせないようにしています。スコット牧師の教えのように、自力で戦えるよう準備しておくべきと思います。実際に多くの人たちが北朝鮮に拉致され取り戻せないままです。尖閣諸島にも毎日、中国の船がやって来ており実行支配される寸前まできています。全く平和ではない状況です。

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マーティン・スコセッシ監督の「沈黙-サイレンス-」は、またの機会に特集したいと思います。