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シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第2回 「殺人の追憶」②

この作品のモチーフとなった華城連続殺人事件が起きた1980年代の韓国は、全 斗煥(チョン・ドゥファン)大統領による軍事政権が始まり、日米との連携を強め経済の活性化に成功する反面、国内の民主化運動、反政府活動を厳しく取り締まり、言論を統制しました。

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国民の政治批判をかわす目的で、娯楽には寛大な姿勢をとり、プロ野球の創設やソウルオリンピックの誘致、映画法改正による表現の自由の緩和と外国映画輸入やポルノ映画制作の解禁、観光業やサービス業、特に性産業の許容などが行われました。

 

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1983年に全斗煥ミャンマーのアウンサン廟へ赴いた際、北朝鮮工作員によるラングーン爆弾テロ事件が発生する。

1987年には北朝鮮工作員である金賢姫による大韓航空機爆破事件が起き、南北関係は緊迫度を増した。

1988年にはソウルオリンピックが行われました。

 

映画でも描かれているように1970~80年代の韓国は、経済成長の中で、都市化の中に古い農村の風景が混在していて、民主化運動など社会も大きく変化し、世の中が混乱していた時代でもあります。

 

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華城連続殺人事件を追う刑事たちが犯人を追い込んでいくも、こういった社会の混乱も重なって逮捕に至らず、また次なる殺人が実行されてしまうところが、作品を観るこちら側にも刑事たち同様に混沌として焦りと苛立ちを感じます。

 

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こうしてブログを書いていて奇遇にも犯人が特定されたのが昨年2019年9月19日‥‥韓国警察は事件の犯人として50代の男イ・チュンジェを特定したと発表した‥‥そうです‼︎

それにしても犯人逮捕して事件解決まで、これほどの年月を要するとは。

 

犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたします。