シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第14回 「時計じかけのオレンジ」②
この作品は原作者のアンソニー・バージェスの実体験が元になっています。
バージェスが留守にしている時に身重だった妻が、自宅に押し入った若者たちにレイプされ金を強奪され、赤ん坊は流産してしまいました。
その後にバージェスに手術不可能な脳腫瘍が見つかり、妻に遺産をのこす為に短期間で小説を書き上げるのです。それが若者の暴力をテーマにした「時計じかけのオレンジ」です。
未来のスラング「ナッドサット」という言葉が登場します。
-ヤーブル-
-ドルーグ-
-ヤーブロッコ-
ロシア語のスラングやロンドンのスラング、ヨーロッパの定住しない少数民族ロマニーの言葉などがベースになっています。
この難解な言葉が映画化の敬遠される要因の一つだったようですが、キューブリックはナッドサットを映像と組み合わせて説明し、その使用を最小限に抑えたそうです。
主人公アレックスの〈つけまつげ〉や、山たか帽子、衣装などはスタッフたちのアイデアです。キューブリックは周りのスタッフすべてに意見を聞き、良いアイデアなら採用したそうです。