シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第10回 「ブラック・レイン」②
この作品は「危険な情事」で大ヒット作を生み出したプロデューサー、スタンリー・R・ジャッフェとシェリー・ランシングが映画化しました。
ちなみに主演のマイケル・ダグラスも「カッコーの巣の上で」など、数々のヒット作を生み出す名プロデューサーであります。
「ブラック・レイン」は、日本の独特な文化が描かれており、物語の舞台が日本であることなど、アメリカ人にとっては理解の難しい内容でもあるため、紆余曲折を経て完成させた作品です。
当初の監督には、ポール・バーホーベン、ピーター・ハイアムズ、ジョン・バダムなどが候補になっていたそうです。結果的に「ブレード・ランナー」や「エイリアン」の名監督リドリー・スコットがメガホンを取りました。
ホテル内でスコット監督と行われた佐藤役のオーディションには、決定した松田優作の他に、萩原健一、根津甚八、小林薫、世良公則、田代まさし、遠藤憲一などが参加していたそうです。他にもプロデューサーからは奥田瑛二に打診していたそうですし、なんとジャッキー・チェンにもオファーをしていたようです。
高倉健さんの演じた松本役には、坂本龍一さんにオファーがあったようですし、マイケル・ダグラスが演じたニック役には、リチャード・ギアが候補に上がっていたようです。
映画の内容についても、ラスト・シーンのところ、ニックが佐藤と対決して佐藤を殺してしまうのか⁈殺さずに捕まえて署に連行するのか⁈両方を撮影して後日の試写で意見を聞いて決めたそうです。このような手法はハリウッドではよく行われます。
これまでのハリウッドに登場する日本人って、差別的な描かれ方をしていたり、間違った表現が多かったですが、この作品は全く違います。多少は違和感のある部分もありますが、しっかりと日本を捉えようとしている作品です。