シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第7回 「ロッキー」①
まずは作品のご紹介💁🏻
フィラデルフィアに住むロッキー・バルボアは、しがない三流ボクサー。苦しい生活の為に借金の取り立てをしてお金を稼ぐ日々。そんなロッキーにはペットシャップで働く片想いのエイドリアンの存在が心の支えとなっている。
そんな中、ヘビー級の世界チャンピオンであるアポロ・クリードが突然ロッキーを対戦相手に指名します。誰もが圧倒的不利と予想される試合だが、ロッキーは闘志を燃やしリングに立つことを決意します。
舞台となるフィラデルフィアは、このあたりになります。
何の説明も必要ないほどの名作であります。いろんな方が解説やレビューされてて、あらゆる事が語り尽くされているように思いますが、あえて我がブログでも名作として取り上げたいと思います。
この「ロッキー」の物語は、主演のシルベスター・スタローンが貧しかった下積みの俳優生活の中で、実際に観戦したボクシングの試合をヒントに、3日間で脚本を書き上げて売り込んだ作品で、一夜にしてアメリカン・ドリームを体現する主人公ロッキーはスタローンそのものなのです。
脚本を売り込んだ際は、無名のスタローン自身が主演するなどとても認められず、ポール・ニューマンなど当時の人気俳優が主演する事が条件とされましたが、スタローンは自分が主演出来ないのであればいくらお金を積まれても売らないと、その条件を譲ることはしませんでした。その結果、スタローンが主演する事は認められますが、製作費など大幅に削られ出演料も最低賃金という厳しい環境の中で映画が作られる事になりました。しかし、このお金のなかった事から、さまざまなアイデアが生まれ、味のあるシーンが出来上がっているのです。
例えば、ロッキーとエイドリアンが初めてデートする場面では、人で賑わうスケート場での撮影の予定でした。しかし予算がなく、閉店後のスケート場で二人きりで10分間だけリンクを滑るのです。撮影は変更になりましたが、この事によって二人の不器用な気持ちが、少しずつ溶け合っていく様子が美しく描かれる名シーンが生まれたのです。
この映画はボクシング映画ではありません。
ロッキーとエイドリアンの美しい愛の物語なのです。