シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第13回 「アマデウス」③
モーツァルト⁉️クラシック⁉️
そんなの聴かないし、わからない‼️
そう思ってる方がおられましたら‥
全く問題ありません。
わたし自身も全く分からないのです。
そういったクラシックの知識は全く必要ないのです。この映画のテーマは音楽そのものではないのです。
作品の冒頭でも、精神に異常をきたした言動を繰り返すサリエリが自殺未遂をし、精神障害者施設に送り込まれたところ、そこにやってきた神父との会話で作品のテーマが見えてきます。
サリエリが神父に向かって言います。
「私が誰か分かるか?」
神父は困った顔をして答えます。
「神の前では‥人はみんな同じです」
この言葉にサリエリは強く反応します。
それはナゼか⁈
神の子として現れたアマデウス・モーツァルトに対する嫉妬です。
神は平等ではない!そう思っているのです。
それは初めてモーツァルトと出会った時から‥
「ナゼこんな下品な男に美しいメロディを作曲する事が出来るのか」
「ナゼ神はこんな男に、これほどの才能を与えたのか」
サリエリの嫉妬が深みにハマっていくのに、もう一つ理由があります。
それは、モーツァルトの作曲する音楽の《真の素晴らしさ》《真の美しさ》を理解しているのは、この世の中で自分だけだという事です。
サリエリだけが神とは逆に、天才モーツァルトを思うがままに操る事の出来る《悪魔》となります。
協力的に寄り添っているかのように装いながら、モーツァルトの天才的な才能を引き出し、その曲に酔いしれつつも、モーツァルトを精神的に追いつめていくのです。
誰もが聴いた事のあるモーツァルトの曲を効果的に使いながら、最後の最後まで目が離せない物語となっています。是非ご覧になって下さい。