シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第16回 『ゆれる』③
日本映画界も残念ながら低レベル化が進んでしまい‥もっと頑張ってもらいたいのですが、すべてにおいて他国に劣ってしまっています。
そう思うのは僕だけでしょうか⁈
しかし、この西川美和監督の『ゆれる』を観た瞬間‥「これは他と違う!」と感じさせられました。
基本的に作品情報などはネットに溢れてますし、ネタバレは論外と思ってますし、あまり僕の意見が作品に色を付けてしまうのも良くないと考えていますので、映画に興味を持ってもらえる範囲内で話したいと思っています。
この映画の脚本を読んで香川照之さんが「10年に一度出会えるかどうか」そのぐらい素晴らしい脚本だったようです。
都会と田舎の村との生活の違い、人間関係の温かさと冷たさ、善意と悪意、自由さと不自由さ、親子・兄弟・恋人それぞれの愛とは何なのか?優しさとは何なのか?
登場人物すべての心の奥にある思いが絡み合って、心が揺さぶられていきます。
西川監督の演出も優れていますが、自身で小説も書き、脚本も書ける監督はなかなかいないでしょう。
この作品は西川監督が見た「友人が殺人を犯す」という夢から物語を着想したそうです。
第59回カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品されました。
これからも素晴らしい作品を世界に発信して頂きたいと思います。