シネマ・エンター 忘れないよ名作映画 第17回 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」③
アメリカの歴史、前回の続きになります。
アメリカが独立戦争でイギリスに勝利し、1787何にアメリカ合衆国憲法が制定されます。
憲法には3大原理があります。
●人民主権
これまでのヨーロッパでの王様が大きな力を持ち政治を行なって、国民は絶対に逆らう事の出来ない社会ではなく、人民が主人公である政治を行うことです。
しかしながら、ここで重要な問題は先住民や奴隷は人民に含まれず権利がなかったのです。
●連邦主義
それぞれの州に自治を任せるという事です。
●三権分立
政府の権能を立法・ 行政・司法に分けました。
大統領、議会、裁判所です。
独立を成し遂げたアメリカは、隣にあるフランスやスペインの領土を購入し、未開拓の地を西へと領土を広げ併合していきます。
そして最終的にメキシコとの戦争に勝利して、アメリカ合衆国は西海岸のカリフォルニアまですべてを併合するのです。金鉱も発見されゴールドラッシュとなり、人々はどんどん西へと移り住んでいきました。
フロンティアを西へと開拓した後は、北部と南部で分裂していきます。
それぞれの主張は以下のようになります。
🔹北部 / 商工業が発展 《共和党》
●奴隷制度に反対(周りの国の理解を得るため)
●連邦の権限を大きくしていき合衆国としてまとまった国にしていく。
●自由な貿易でなく、アメリカの産業を保護していく貿易
🔸南部 / 温暖なので農業が発展 《民主党》
●奴隷制度に賛成
●合衆国としてでなく、州の権限を大きくする州権主義
●奴隷を入れて労働力にしたいので自由貿易
そして1860年に北部・共和党のリンカーンが大統領になります。
これに反発した南部は1861時にアメリカ連合国の成立を宣言して‥‥
「・・・これらの戦死者たちの死を無駄にしないと高らかに決意すること‥‥この国が、神の導きの下で、自由の新たなる誕生をもたらすこと‥‥そして、人民の、人民による、人民のための政府をこの地上から絶やさないこと・・・。」
これにより国内外から大きな支持を得ます。
4年にわたる戦争の結果、1865年に北部が勝利して、産業資本を中心とした近代国家として統一され、奴隷制は廃止されました。しかし、制度としての奴隷はなくなりましたが差別はなくならず、南北の対立はその後もアメリカ合衆国の抱える大きな問題となります。